前回、2本針4本糸の糸調子を紹介しましたが、今回は全巻き縫いの糸調子の合わせ方を紹介します!
まずこちらが、全巻き縫いのキレイな縫い目です。
「全巻き縫い」、別名「巻きロック」は、主に端処理に使います。
表と裏、両方を上ルーパー糸でくるむ縫い方です。
ハンカチの縁、スカートのすそ、フリルのすそに使われています。
2本針4本糸で幅を細くロックした縫い目(細ロック)にも似ていますが、こちらの方が縫い目が固めで、形状維持できる印象です。
そんな巻きロックですが、私はフリルを縫うことが無いので、あまり使わないんですよね…それはさて置き。
準備していきましょう。
生地は、ダブルガーゼを使用します。
上ルーパー糸には、ウーリー糸を使用します。
スパンよりも、縫い目の境目がみえにくくなり、キレイな縫い目になります。
針糸と下ルーパー糸には、スパン#90を使用します。スパン#60よりも細いので、縫い目がなめらかになります。
針は右針のみ使用します。左針は、必ず外しましょう。
※ 左針を外しておかないと、キレイな縫い目になりません!専用ドライバーで外します。
前回と同じく、
使用する糸が、スパン糸のときは、
ダイヤルを “4” にして始めます。
使用する糸が、ウーリー糸のときは、
ダイヤルを “1” にして始めます。
右針:スパン#90
上ルーパー:ウーリー糸、下ルーパー:スパン#90 なので、
右針:「4」 、
上ルーパー:「1」、下ルーパー:「1」にダイヤルを合わせて、調整していきます。
かがり幅切り替えつまみは、手前側に。
送り調節つまみは、「1」。
差動つまみは、「N」。
下メス調節つまみは、「1」にしました。
ハギレで試し縫いをして、調整。
1回目、縫っていきます。
上が表で、下が裏の縫い目ですね。
右針糸 → 白色、上ルーパー糸 → 白色、
下ルーパー糸 → 黒色 を使用しました。
裏の縫い目をみると、
黒い糸 → 下ルーパー糸が弱いので、わっかになっています。
下ルーパー糸を強くしていきましょう。
「4」→「7」へ、大きくしました。
2回目、縫っていきます。
上から順に、表の縫い目、裏の縫い目、
そして、裏の縫い目を下からみたものです。
裏の縫い目は、良くなったようにみえますが、立体的に下からみると、右針糸が少し浮いてみえます。
右針糸を少し強くしましょう。
「4」→「5」へ、大きくしました。
3回目、縫っていきます。
縫い目がキレイになりました!
表と裏どちらも、しっかり上ルーパー糸にくるまれてます。
縫い目のスキマが気になる方は、同じところをもう一度、巻きロックしましょう。
通常はこれでOK!ですが、
巻きロックは、縫い目の中にテグスを入れることで、くるんっとしっかりした形の巻きロックができます。
テグスはこちら。太さは8号(0.47mm)以上のものがいいです。
そして、別売りの「コーディング押さえ」を使います。
コーディング押さえをセットしたら、テグスを下の写真①の穴へ入れます。
テグスを押さえの右から通して、②の穴から出るようにします。
押さえの後ろにテグスを出したら、押さえを下げて、空環(からかん)を縫います。
こんな感じに、テグスが巻きロックされて出てきます。
糸調子は、さきほどの続きで、
右針糸から「5」、「1」、「7」で縫います。
テグス入り巻きロック、1回目です。
表の縫い目は、キレイに出来ましたが、裏の縫い目が浮かんでいます。右針糸が弱いので、強くします。
右針糸を、「5」→「7」へ大きくしました。
テグス入り巻きロック、2回目です。
キレイな縫い目の完成です!
テグスが入ったことで、くるりとカーブしています。強度もあり、形がキレイです。
まとめ。
Wガーゼを使った全巻き縫い糸調子は、最終的に以下の通りになりました。
右針糸:「5」
上ルーパー糸:「1」
下ルーパー糸:「7」
右針糸:「7」
上ルーパー糸:「1」
下ルーパー糸:「7」
いかがだったでしょうか。
巻きロックをいかして、フリルのついた可愛い服や、シュシュ、ハンカチ、いろんなものを作ってみてくださいね!